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基礎・上棟に続き、袖ケ浦ブライトテラス分譲地の主要な3棟が外壁工事を終え、外観が完成に近づいてきました。今回は、三井ホーム、ミサワホーム、住友林業の各社が体現するデザイン哲学を、建築士の視点からレポートします。

1. 三井ホーム:優雅な「アーリーアメリカン」の現代的表現
三井ホームの建物は、アメリカンデザインの優雅さを現代に昇華させています。
配色とスタイル: グレー系の外壁と、窓枠や玄関ポーチの白のコントラストが特徴です。これは、西海岸スタイルに通じる爽やかさがあり、街並みに華やかさをもたらします。
デザイン要素: 白い柱と庇で構成された玄関ポーチは、カバードポーチの意匠を踏襲。また、2階窓の左右対称(シンメトリー)な配置は、伝統的な美しさと安定感を外観にもたらしています。

また、現場では、基礎の立ち上がり部分に透明な中性化防止剤が塗布されていました。これは、空気中の二酸化炭素がコンクリートのアルカリ性を低下させる「中性化」の進行を抑制する目的で行われます。中性化が進むと、内部の鉄筋が錆びやすくなるため、この処理は長期的な建物の耐久性(特に鉄筋の防錆)を確保する上で非常に重要な工程となります。こうした見えない部分の配慮が、建物の資産価値を守る基本です。

2. ミサワホーム:「シンプルモダン」に重厚感を纏わせた哲学
ミサワホームの建物は、シンプルさと重厚感を両立させたデザインが際立っています。
フォルムと素材: キューブ型(箱型)を基調とし、装飾を排したモダンな外観です。メインの白い壁に対し、玄関ポーチの濃いグレー系のタイル/石材調のアクセントウォールが重厚感と高級感を演出しています。

軒のデザイン: 屋根から深く張り出した軒(のき)が特徴的です。これにより、建物全体に水平方向の安定感と美しい陰影が生まれ、モダンな中に落ち着きと風格が漂います。
3. 住友林業:「木」を纏い、光と開放感を追求したデザイン
住友林業の建物は、同社のテーマである「木」と開放的な窓を融合させたデザインです。

「木」の強調: 軒天全体と1階の一部に明るいトーンの木材(または木目調)を使用。白い外壁と黒いサッシのモダンな構成の中に、自然素材の温かみと高級感を効果的に加えています。

開口部と機能性: 2階の連続窓や各所の大開口サッシは、室内に光と景色を最大限に取り込み、建物にダイナミックな印象を与えます。また、深い軒は日射制御の役割も果たし、機能性と美しさを両立させています。
結び
三井ホームの優雅さ、ミサワホームの重厚なモダン性、住友林業の木の開放感。この分譲地は、各社のデザイン哲学を比較できる貴重な場所です。外構が完成し、全体がどのような街並みを形成するのか、引き続きレポートしてまいります。
S(一級建築士)